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弁護士  稲 葉   勉
弁護士 稲 葉 幸 嗣
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判例等

 

民事事件判決集

民事事件判決集
 
自転車の製造物責任が認められた判決(東京地裁平成25年3月25日,未確定)
 60歳男性がイタリアの有名ブランド「ビアンキ」のクロスバイク(自転車)で平坦路を走行中,前サスペンションのアウターパイプと前輪が丸ごと抜けたことにより,顔面から落下転倒し,頸部から下が全麻痺になった事案。
 
 判決では,サスペンション部品の腐食が進みやすく,分離防止機構もなく,8万円近い高額な自転車で6年程度の使用期間で分離するのは欠陥がある,サスペンションの破損と転倒との間には因果関係がある,日ごろの点検整備の不備について1割の過失相殺をして,1億8930万円の支払いを命じた。
 
徘徊事故について妻と息子の責任を否定した判例(最判平成28年3月1日)
 重度の認知症の男性(91)がJRの駅で線路上に立ち入り,列車にはねられて死亡した事故につき,JR東海が列車遅延等についての損害賠償として720万円を求めた訴訟。
一審名古屋地裁は妻と長男に全額認定(平成25年8月9日)。
名古屋高裁は妻に360万円認定。
最高裁は逆転で請求を退けた(0円)。
《争点》妻や長男は民法714条の監督義務者に当たるか。
《結論》否定
《理由》
  1 精神障害者と同居する配偶者であるからといって,その者が民法714条1項にいう「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」に当たるとすることはできない。
2 法定の監督義務者に該当しない者であっても,責任無能力者との身分関係や日常生活における接触状況に照らし,第三者に対する加害行為の防止に向けてその者が当該責任無能力者の監督を現に行いその態様が単なる事実上の監督を超えているなどその監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情が認められる場合には,法定の監督義務者に準ずべき者として,民法714条1項が類推適用される。
3 認知症により責任を弁識する能力のない者Aが線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた場合において,Aの妻Y1が,長年Aと同居しており長男Y2らの了解を得てAの介護に当たっていたものの,当時85歳で左右下肢に麻ひ拘縮があり要介護1の認定を受けており,Aの介護につきY2の妻Bの補助を受けていたなど判示の事情の下では,Y1は,民法714条1項所定の法定の監督義務者に準ずべき者に当たらない。
4 認知症により責任を弁識する能力のない者Aが線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた場合において,Aの長男Y2がAの介護に関する話合いに加わり,Y2の妻BがA宅の近隣に住んでA宅に通いながらAの妻Y1によるAの介護を補助していたものの,Y2自身は,当時20年以上もAと同居しておらず,上記の事故直前の時期においても1箇月に3回程度週末にA宅を訪ねていたにすぎないなど判示の事情の下では,Y2は,民法714条1項所定の法定の監督義務者に準ずべき者に当たらない。
(1,2につき補足意見,4につき意見がある。)
 
 
 
 
 
妊娠中絶について,男性に賠償責任が認められた事例(東京高裁平成21年10月15日判決)

【判例時報2108号57p】

 合意で性交渉をし、合意で妊娠中絶手術を行った男女間において、男性が女性の身体的、精神的苦痛や経済的負担の不利益を軽減し、解消するための行為をしないことが不法行為に該当するとされた事例】

 

結論として,905万余の請求に対し,生じた損害の半分が相当として114万円余の請求を認めた原審を維持した。

 

自由意思で性交渉した結果、妊娠したが、産む条件がないために中絶した。

これまで、こうしたケースは不法行為にはならないと考えてきた。


全てが被害者本人の意思決定の結果であるから、その結果に対する賠償を求めること、違法な権利侵害を認めることが法律的には極めて難しいことだったからだ。

 

この判決は、妊娠中絶させたこと自体を不法行為ととらえるのではなく、妊娠中絶に至った女性の精神的・肉体的苦痛や経済的負担を軽減する義務が男性にあるという法的構成をとり、男性がその義務に違反したとして損害賠償を認めた。

 

共同の性行為に由来するものであるから、男女は等しくその不利益を分担すべきであり、その不利益を分担しない男性の行為は、法律上保護された女性の利益を違法に侵害するとしたものである。


また、この判決は不利益を分担すべき義務を導き出すために「条理」を用いている。
「条理」は明確な法律上の根拠が見いだしがたいときに持ち出されるもので、これを根拠とする判決例は珍しい。

 

条理 「民事裁判ニ於イテハ成文アルモノハ成文ニ依リ成文ナキトキハ慣習ニ依リ成文慣習共ニ存セサルトキハ条理ヲ推考シテ裁判スヘシ」(明治8年太政官布告第103号裁判事務心得第3条)

 
広告情報誌に電話番号を誤って記載された者の広告代理店に対する請求が認められた事例(大阪高判平成6年9月30日)
原審(大阪地裁平成5年6月18日判決,判例タイムズ863号238頁,判例時報1516号90頁)
控訴審(判例時報1516号87頁)
 
結論として広告代理店及び雑誌発行人に対し25万円の損害賠償請求が認められ,
雑誌発行人に対する請求は棄却された。
 
雑誌発行人には電話番号を確認する義務がないとされた。
 
損害額については,体調不良に基づく休業損害については相当因果関係を欠くとして否定し,
慰謝料として20万円,弁護士費用として5万円を認容した。
 
類似判例:大阪
 
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