A「特定少年」については原則逆送対象事件(刑事事件が相当として,原則として検察官に送致することが求められる事件)が拡大されています。
改正前少年法では,16歳以上の少年が故意の犯罪行為で被害者を死亡させた場合のみを原則逆送対象としていました。
改正少年法では,これに加えて,18歳以上の少年が死刑,無期又は短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪が逆送対象事件に追加されることになりました。
これにより,18・19歳は刑事責任を負う可能性が高まることになります。具体的には,現住建造物等放火罪,強制性交等罪,組織的詐欺罪などが逆送対象事件の拡大対象となります。
この逆送対象事件の拡大の趣旨は,特定少年が社会参加を期待される責任ある立場にある以上,17歳以下の少年よりも広く刑事責任を負うべきと考えられる点にあります。そのため,逆送決定後は,20歳以上の者と同様に扱われることになります(例えば,17歳以下の少年の有期懲役刑の上限が15年であるのに対し,特定少年は通常通り上限30年となります。)。