結論としては任意の請求に応じてくれれば可能であるが、裁判となれば不可能ということになります。
最高裁判所は,不法行為の場合の弁護士費用について,「相手方の故意または過失によって自己の権利を侵害された者」は,「事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り,右不法行為と相当因果関係に立つ損害ということができる。」として,弁護士費用が損害となることを認めました(最高裁昭和44年2月27日判決)。
そして,不法行為の場合の弁護士費用については,判決においては認容額の1割程度が損害として認められることが多いです。
また近時,労働契約に付随する安全配慮義務違反でも弁護士費用が損害として認められるという最高裁の判決がでました(最高裁昭和24年2月24日)。これにより不法行為のみならず,契約当事者間の債務不履行責任についても弁護士費用が損害として認められることが明らかになりました(最高裁平成24年2月24日判決)。
しかし,貸金請求訴訟の場合には,損害賠償の額が法定利率(令和2年4月以降の契約の場合は3%)に限定されており(民法419条1項),弁護士費用を別途請求することはできないとされています。