少年審判の処分には,大きく分けて,検察官送致,保護処分,不処分があります。
検察官送致というのは,成人と同じ刑事手続きでの処罰を求めるというものです。重大事件で有期懲役,無期懲役,死刑等を求めるべき事案である場合や,交通事件などで罰金が相当である場合などにこの処分が選択されます。
検察官送致後は,検察官が地方裁判所に起訴をして,刑罰を求め,地方裁判所が刑罰を決めることになります。
なお,例外的に地方裁判所が再び家庭裁判所に移送する場合もあります。
保護処分には,主に保護観察と少年院送致があります。保護観察は,保護観察官や保護司という協力者の指導・助言を受けながら社会内で更生を目指す手続きです。
少年院は少年の教育・更生のために特別に設けられた施設で,授業や運動,職業訓練などを通じて少年を教育する施設です。少年院は,以前は木工,溶接,陶芸などの実科が多かったのですが,近時は高卒認定試験に向けた学習に力を入れる少年院も増えてきました。
不処分というのは,文字通り何の処分もしないということです。少年鑑別所に収容された少年の場合には,不処分とされることは少ないのですが,非行事実が認められない場合や,在宅のまま審判した場合には,事案の軽微さ,少年の反省状況等により不処分ということもありえます。